ある小学高学年の野球少年。
僕が整形外科で担当した彼は、
「右肩の痛み」で来院。
肩の痛みの改善から
パフォーマンスアップ
に繋げて介入した
流れを少し紹介します。
最初来た時は、
・ボールを投げると肩が痛い
・ボールを持たなくても
投げるフォームをするだけで痛い
・右手を挙げても
肩よりも高く挙げられない
（特に横から挙げるのが辛い）
そういう状況で、
彼の体をみていくと、
頭が前のめりの姿勢で、
首がとても硬い。
肩の動きよりも
首の動きの方がぎこちない。
ついでに目の動きもぎこちない。
聞くところによると、
「喘息持ち」。
このところ夜の喘息が
ひどくなっていたよう。
彼の固いところを探し、
アプローチとしては、
・首の前から肋骨の間
・肩甲骨の間の背骨
・右手首と前腕
それらをほぐしていき、
それに加えて、
首とミゾオチの 体軸体操 を
一緒に行っていきました。
野球による肩の酷使の前に、
喘息からくる首から胸まで
の固さの方が問題ありました。
3回来る頃には痛みが落ち着き
4回目では全く痛みがなく
ボールを投げても痛くない状態に。
季節的なものなのか、
喘息も落ち着いたようです。
そこからは、
痛みが出にくい状態を維持するため
パフォーマンス向上も兼ねながら
セルフトレーニングをメインに
更に4回ほど指導していきました。
投球フォームで気になった
・左足の着地（右利きの軸足）
・ボールを離す前の肩甲骨ー胸の開き
この２つの改善を目的に、
セルフトレーニングで出来る事を
模索して取り組んでいきました。
セルフトレーニングとしては
【体軸体操(準備体操編)】
➕
【個別メニュー】
ポイントとしては、
頭と首から動き出すので、
《股関節を主体とした重心移動》
それと
胸を小さく閉じ困らないように
《胸と右肩甲骨の開き》
これらを意識して、
取り組んでいく事で
投球フォームは
改善していきました。
ただ、投球フォームを
細かく修正した訳ではなく
怪我がしにくいように
床からの力が、効率よく
ボールに伝わりやすいように
カラダの連動性と
重心移動のスムーズ性
これらに着目して
トレーニングをした結果、
フォームが良くなった
という形です。
どのスポーツでも
専門的な動きは、
種目のコーチやトレーナーに
教わった方が良いと考えます。
こちらが行えることは、
スポーツに取り組む前の
運動能力の土台になる動きを
再獲得・向上させることです。
さらに、彼の場合、
カラダの身体操作能力として
計測していた
クロスステップと言われる
１０秒ステップが、
セルフトレーニングを
取り入れる前後で、
当初 ２６回 から
終了時 ４７回 まで
早くなりました（1,8倍！）。
というのも、
自宅や部活の際に
お伝えしたトレーニングを
行ってくれていたようでした。
つまり、彼が
継続して繰り返していた事で
短い期間で変化が生まれた
という事です。
痛みが良くなった
動きが良くなった
ということも大切ですが、
最初は、受け答えも少なく
恥ずかしがり屋だった彼が
セルフケアを覚えて
実践してくれていた。
少しずつ
会話のキャッチボールが増えた。
表情が柔らかくなっていった。
そういったことが
何よりも嬉しいことでした。
セラピストとして
大変な場面の方が多いですが
彼のように子供ながらに何かしらの
きっかけを掴んでくれたことが
人と接する仕事をしていてよかった
と本心から思えることです。
彼の更なる活躍を
心から願っています。
↑ここでも紹介した
体軸体操（準備体操編）を
明日、１０時より
オンライン配信します。
詳しくは、前回の記事より↓
内臓ヨガ・体軸体操オンラインセミナー
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